昔の病気や怪我の治療法は?

By kakizaki, 2015年2月24日


抗生物質の薬がなかった時代は、風邪をこじらせて死ぬことも珍しくありませんでした。ペニシリンが発見されたのは昭和になってからですから、まだ100年も経っていません。ということは、幸村の時代はもちろんのこと、100年以上前の人は、ちょっとした病気で死んでしまう危険の中で生きていたわけです。とはいえ、フランスのパスツールが細菌学を創始した19世紀以降は、日本だと明治以降ですが、殺菌という概念が普及して、病気や怪我の治療はそれ以前よりも格段に進歩しました。それでも100年ちょっと前の話です。また、花岡青洲が世界で初めて全身麻酔に成功したのが江戸時代の中頃ですから、250年前ぐらいまでは麻酔もありませんでした。
幸村の時代は今から400年以上前ですから、抗生物質はありませんし、ウィルス細菌は知られてさえいませんでした。ですから、熱湯消毒といったことさえありませんでした。麻酔もなかったわけですから、怪我をして激痛がしても、ただただ我慢するしかなかったわけです(それだけでも心臓発作で死んでしまいそうですね)。

戦いをすれば、当然、負傷することもありますし、疲労や栄養不足で病気にかかりやすくもなるでしょう。そうした時はどうしたんでしょうか?
負傷したり病気にならないように日頃から身体を鍛えていた。身体が弱い者は死に、強い者が病気や怪我から回復して生き延びた。といってしまえばそれまでですが、実際に怪我したり病気にかかった時はどうしたのか?ただ寝て自然治癒力(つまりは“なりゆき”)に任せたのでしょうか?
恐らく、当時は当時なりの治療法があったのだと思います。薬師(くすし)は今でいえば医者のことですが、そういう人もいた。ただし、薬師が治療に当たるのは身分の高い人だけで、一般庶民はいわゆる民間療法に頼っていたのだと思います。
今でも、地方や家庭によっては行われている民間療法というものがあります。酒に生卵を入れた卵酒を飲んで精をつけるとか(酒も卵も貴重品でしたが)、ドクダミの葉を茹でて患部に当て膿を出して治すとか、筆者の子供の頃でもこうした治療法はよく見られました。
また、効果のほどはかなり怪しい治療法がまかり通っていました。よくあるのは加持祈祷ですね。神仏に祈って病気を治すというものです。これの効果のほどは知りませんが、当時はかなり信じられていたのではないでしょうか(もっとも催眠療法で自律神経を治すという治療法もあるようですから、あながちデタラメとはいえないかもしれません)。
当時の人々は、目に見えない神仏の力を信じていました。例えば、武将の兜の頭には、武士の神様である八幡大菩薩(はちまんだいぼさつ)が天から降りてくるようにわざと穴を開けていました。弓矢が穴を通って頭に突き刺さる危険よりも、神様が自分を守ってくれる方を信じていたわけです。ですから、加持祈祷とか、神社のお百度参りとかが本当に力のあるものとして存在していたのでした。
ちなみに、上杉謙信は自分を摩利支天(戦の神様)の生まれ変わりだと信じていて、「俺には鉄砲の弾も矢も当たらない」という自信のもと、敵の射程距離内で悠々と酒を飲んだという話が残っています。当時の人々の感覚ならば、神様の生まれ変わりなら鉄砲も当たらないというのは信じられることだったでしょう。

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