オオカミの神社 <秩父札所 7>

By hebizo, 2015年1月12日


2015年もよろしくお願い申し上げます。「ながのモール」から世界へ広がる年になるよう期待いたします。

武田信玄に焼かれたこともある秩父神社は、現在も秩父の中心地にあります。市街地なので広大な敷地を有するわけではありませんが、整備された境内のきれいな神社です。12月2日(宵宮)、3日(大祭)に、山車の巡行でクライマックスを迎える秩父夜祭は有名です。京都祇園祭飛騨高山祭と合わせて「日本三大曳山祭」とも呼ばれるそうです。

これも「三大」モノですが、秩父神社、宝登山(ほどさん)神社、三峯(みつみね)神社を「秩父三社」と呼んでいます。宝登山は秩父の北東、長瀞(ながとろ)にあり、三峯は秩父市ですが中心から南西の山中にあります。秩父札所は市街地周辺にコンパクトにまとまっているので、両神社はその外側から挟むような位置になります。 この二社のお札にはオオカミがデザインされています。 ookami15

秩父をふくむ武蔵国はじめ東国にはオオカミ信仰の伝統があります。ヤマトタケルの東国征服の神話では、甲斐の酒折宮から、武蔵の秩父、奥多摩、奥武蔵を通り上野(群馬県)から碓氷峠を越えて信濃へ入ったと日本書紀にあります。この道筋にあたる、秩父・武蔵・奥多摩地方では、山岳信仰や修験者の影響もありヤマトタケルに因む神社が数多くあります。この二社もヤマトタケルを祀っています。三峯神社には、けっこう巨大なヤマトタケル像が建っています。 ookami18

神話でオオカミはヤマトタケルの危機を幾度も救い、ヤマトタケルの眷属(けんぞく、神の遣い)としてオオカミは神格化され「大口真神(オオグチマカミ)」とも呼ばれています。まあ「オオカミ」自体「大神」ですが。これらの神社には、狛犬の代わりにオオカミが置かれています。一見お稲荷さまのキツネに見えるのですが、裂けた口や、胴体に浮かぶアバラ骨で、飢えた感じが出るのか、キツネとはちょっと違う雰囲気があります。これは東京都世田谷区にある三峰神社のオオカミです。   ookami20

秩父の三峯神社のオオカミは立派で、アバラが筋肉のように見えます。 ookami19

三峯神社は山岳修験道の聖地・中心地でもあり、山奥にもかかわらず社殿はとても立派です。 ookami13

関東中心に信者集団である三峯講が広がっていますが、秩父・三峯から三国峠を一つ越えれば長野県川上村行くことができます。三峯講は川上村にとどまらず、信州各地にも存在しているようです。 ookami17

 

 

地域にはオオカミの頭骨を神宝として大事に伝えている家が今でもあります。ニホンオオカミは明治初期には絶滅したとされていて、標本もわずかしか残っていません。 ookami14

今も残る信仰の中、ニホンオオカミの生存を信じて探す秩父の山奥の人々をNHKのドキュメンタリー「見狼記」で紹介されたこともありました。 もう一社、東京都青梅市の武蔵御嶽(みたけ)神社もオオカミ信仰の中心地で、大口真神のお札も有名です。 ookami8

ここの境内社で、オオカミそのものを祀る大口真神社の狛犬オオカミは、もっともたくましい姿をしています。 ookami22

2014年の初詣で武蔵御嶽神社に参拝しましたが、山の上まで飼い犬を連れてお参りすることができる、犬の聖地でもあります。 ookami21 <つづく>

 

【最近読んだ本】8 「オオカミの護符」 講談社 小倉美惠子

オオカミ信仰に惹きつけられる人は多いようです。普通の住宅地となった川崎市宮前区に住む著者が、家や周辺地域で見られる「オオカミのお札」に興味を抱いて始めた取材をドキュメンタリー映画にしたものを、新たに本にしたものです。武蔵御嶽神社を信仰する地元、土橋地区の御嶽講から始まり、秩父や関東に広がるオオカミ信仰を追いかけています。

 


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